首は、「出す」もの?「引っ込める」もの?

冬眠から覚めたばかりの、ニホンイシガメたち。

野外観察へと出かけた、2月26日のことである。

寝ぼけ眼な、彼らの愛しい姿がみられると、

改めて、季節が移り変わったことを感じる。


春が、やってきた。



春は他の季節と比べて、ニホンイシガメの日光浴姿が頻繁にみられる季節だ。


変温動物のカメ類は、体温が外部の温度に依存する。

春、冬眠から覚めたカメたちは、体温を上げるために、日光浴の頻度を増やす必要があるのだろう。


日光浴をするイシガメを見ていると、さまざまなことがわかってくる。


寝起きのカメたちは、皆、寝ぼけ眼の半目であること。

人の気配に鈍感で、普段より接近しても逃げないこと。

そして、ある特有の「ふるまい」があることにも。



このように、首をしまいながら日光浴する個体が、しばしばみられるのだ。


カメの写真を撮る者としては、できれば首を出して、顔を見せてほしい。

顔が出る瞬間を狙って、30分ほどカメラを構え続けることもある(だから風邪をひくのかな…)。

しばらくすると、眠そうな顔で、チラッとこちらを確認する。

するとまた、首を引っ込めて、顔をしまいこんでしまう。


その、繰り返し。



これは…どういうことなのだろうか?



カメ類にとって、首は、「出すもの」なのだろうか?

首を「引っ込めた」状態の方が筋肉が緩んでいるため、首を「出した」状態よりもラクなのかもしれない…。


この答えを得るためには、首の動きについて、詳しく勉強する必要がありそうだ。

実際に観察するためには、「解剖」を行わなければならない。


そんなことを考えていた矢先。

後輩から、連絡をもらった。


「アカミミガメの死体が手元にあるんですけど、要りませんか?」



すごい、ナイスタイミング…。

もちろん、死体の腐敗状態によっては、筋肉の観察は難しい可能性がある。


けれど、百聞は一見に如かず。

文献の情報より、実物の筋肉の動きを観察できるに、越したことはない。




今日は、明日の譲渡を待ちながら、カメの「首」に思いを馳せる一日となりそうだ。





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亀に踏まれて -KAME HACK-

主に「野生の亀」について探求しています。 現在、西表島で研究中。