世界には、優しい方々がたくさんいる。
それでも特別、カメが好きな人に、悪い人なんていないのではないだろうか?
台湾の離島「澎湖諸島」で活動する、アーティスト「ShuoYi」さん。
彼とは、先月Instagramで知り合ったばかりだ。
彼は、台湾にやってくるウミガメを描いている。
絵を描くことで、ウミガメの保全活動が広がることを望んでいるのだ。
そんな彼とは、ついこの前知り合ったばかり。直接会ったことは、もちろんない。
それでも、お互いにつたない英語でコミュニケーションを取り合っていると、
さまざまな「共通点」があることに気が付き、「共感」が生まれていった。
ある時、日本への来訪歴について話していた時のこと。
彼は、
「2013年に、屋久島でウミガメボランティアをしていた」
という。
なんと。
私も、屋久島うみがめ館でボランティアスタッフを務めていたことがある。
大学一年生の夏、2014年のことだ。
たった一年のすれ違い。
もしかしたら、一緒にボランティア活動をしていたかもしれないなんて…。
またある時、カメのフィギュアについて語りあっていた時のこと。
彼から送られてくる自慢のフィギュア写真を見ていると、
いくつも「お揃い」のフィギュアを持っていることが発覚した。
「ガメラだ!私も同じフィギュアを持っているよ。ガメラが好きなの?」
「ゴジラも大好きだ!」
「僕の仕事で使う、カメのおもちゃだよ」
「セマルハコガメ、カミツキガメ、アオウミガメ実寸大フィギュア…全部、私も持っているよ!」
「Wow!僕のセマルハコガメは、後ろ足が硬くて、閉じないんだ!」
…このようなやりとりを何度か繰り返していた折、彼から
「ウミガメの絵本を贈りたい」
という連絡をもらった。
台湾から、郵送してくれるという。
彼が4年の歳月をかけて描いた、ウミガメの絵本。
そんな待ちに待った絵本が、昨晩届いたところだ。
ウミガメの一生を、言葉なしに物語る「絵本」。
その「絵」が持つ力に、ページをめくるたび、私も言葉を失っていく。
想いのある「絵」には、言葉以上の力がある。
彼の絵本は、間違いなく、語っている。
素敵な絵本を贈ってくれて、本当にありがとう。
そして、彼の絵本が日本でも認知されたら、とても嬉しい。
遥々台湾から、優しさをのせてやってきた「贈りモノ」。
それは、言葉なく、言葉以上に語る絵本だった。
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