満足しないことの大切さ

春本番を迎えてから、ひたすら野外へと出かけていた。

川のカメたちが、続々と活動を始めたためだ。


追いかけるのが楽しくて、撮りたい写真をとって、試してみたかった研究・調査をひとつひとつ試行して…。


気づけば、大学院生になってから、一ヶ月がたとうとしていた。


昨日、教授とカメの研究について話をしていた時のこと。

「カメに関する質問で、自分が答えられないことを聞かれた時、答えられないことが悔しくて、そのことについてとことん調べあげたりとか、しないの?」

と言われ、ハッとしてしまった。


そういわれてみると、、いつからだろう?

カメに関する疑問を、丁寧に調べることをしなくなったのは。

カメについて、知らないことがあって当たり前だ、と思うようになったのは。





大学生(学部生)の時は、もっとカメにガツガツしていたと思う。


カメを追いかけて日本中をまわっていた大学時代、たくさんの人とカメの話をした。

私がカメについて質問することもあれば、カメに興味をもって疑問を投げかけてくれた人もいた。

誰かにカメのことを聞かれたら、なんでも答えたかった。


教授が言っていた通り、答えられない疑問は、あとで調べて、次に聞かれた時は答えられるように努力していたことを覚えている。



けれど、徐々に

「研究されていないからわからない」

「やったことがないからわからない」

と、

そんな風に答えることが増えていった。





きっと、どこかでカメに関する知識に、満足していたんだと思う。

「もっと深く知りたい」

という気持ちが、薄れていたみたいだ。






今も、そうだ。

フィールドへ出かけて写真を撮ったり、調査するだけで、満足しそうになっている。


カメについて思うことや考えていることを文章に残したくて始めた、このブログも。

この二ヶ月、記事にしたい出来事がたくさんあったのに、一つも更新していなかった。




毎日が充実していても、満足しては、だめだ。

カメにガツガツしていた、あの頃の気持ちを思い出して。





もっともっと、カメにまみれた日々を。




0コメント

  • 1000 / 1000

亀に踏まれて -KAME HACK-

主に「野生の亀」について探求しています。 現在、西表島で研究中。