甲羅に書かれる文字先月のこと。多治見のとある陶芸教室で、陶芸体験をした時のことだ。陶芸家の方から、とても興味深い話を伺った。「小さいころ、このあたりの川でカメを捕まえて遊んでいたよ」「捕まえたカメの甲羅に、自分の名前を書いたり、刻んだりして、再び元の場所へ放すんだ」甲羅に名前を書く…?どこかで、似たような話を聞いたことがあるような…。そうだ、愛知県知多半島の浄土寺というお寺で聴いた話だ。愛知県知多半島の浄土寺には、一度だけ、訪れたことがある。このお寺には、一匹のアカウミガメが奉られており、お亀さんという愛称で信仰されているカメの墓がある。このアカウミガメが奉られた由来は、今もはっきりと言い伝えられている。明治四十二年のこと。重い病気に苦しんでいたある...2022.08.08 05:22