進歩する図鑑

カメ種を記載する図鑑は、和書に限らず、洋書のものも多数ある。

ネットでカメ類の本を探していると、わりと頻繁に、新しい図鑑が出版されていることに気が付く。


カメという生き物が、いかに愛されているのか。

図鑑は、それを目の当たりにする機会だ。

これらの図鑑は、すべて日本のカメ図鑑。

1997年発行のものから2021年発行のものまで、

約25年の間で、実に多様な図鑑が出版されてきた。



これは、アメリカで出版された世界のカメ図鑑。

日本の図鑑は、主に飼育に役立つ情報を記載することが多いが、比較してこの本では、カメの生態情報を多く取り上げている。いわゆる、学術誌に近い印象を得る。

アメリカ大陸南部地域は、カメの種数が世界的にも多い、ホットスポットの一部だ。

そのため、特定の地域に生息するカメ類をまとめた図鑑も存在する。




「図鑑なんて、一つあればいいのでは?」と、思う方もいるだろう。

けれど、私はさまざまな理由があって、複数の図鑑を所持している。


まず一つは、カメ種の分類が、日々、変化しているためだ。

種の分類は、今日でも行われ、発展し続けてている。

そのため、分類群が変更された種や、別種として再分類された種の記載が、発行年の古い図鑑と新しい図鑑では、全く異なるのだ。

正しい(新しい)分類を把握するため、コンスタントに情報収集を行うために、図鑑を集め続けている。


他にも、記載されているカメ類の生息地や形態の情報が図鑑によって微妙に異なるため、多種類の図鑑を見比べ、記載された情報を照らし合わせたいから、などが理由だ。



けれど、私がカメ図鑑を買い続ける一番の理由は、「写真」である。



カメ図鑑に使用される写真は、本当に目覚ましい進歩を遂げている。

昔の図鑑では、主にカメ種の特徴を捉えるためだけの写真が使われていた。

しかし最近の新しい図鑑は、特徴だけでなく、カメたちの「美」を追求した写真が多くみられる。

つまり、使われる写真が、とにかく美しいのだ。

半端なく美しいカメたちが、ぎゅっと詰まった宝箱。

これは、最近出版された本の中で、最もお気に入りの一冊だ。

パラパラとページをめくり、多種多様なカメで彩られた写真を眺める。

ただこれだけで、心が躍る。


こんな風に、撮影できたらなぁ…。



「カメ」という生物を、凛々しく、可愛く、ポップに紹介した写真集(図鑑)。

ビジュアルだけでなく、英文も読みやすい本なので、一冊持っていて損はない。

というか、ぜひ手にとって見てみてほしい。

カメ好きの皆さんへ、自信を持ってお勧めできる本だ。





今後出版される、未来のカメ図鑑も、楽しみでたまらない。


斯くして、手元に複数のカメ図鑑が揃っていく…。

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亀に踏まれて -KAME HACK-

主に「野生の亀」について探求しています。 現在、西表島で研究中。